ガラス体積計
ガラス体積計
ガラス体積計について

ガラス製実験器具のうち、液体の体積を精密に測り取るものがガラス体積計です。
ガラス体積計には、日本工業規格(JIS R3505-1994)にて種類や規格等が規定されており、ビューレット、メスピペット、全量ピペット、全量フラスコ、首太全量フラスコ、メスシリンダー、乳脂計があります。
IWAKIでは、化学的に優れたCTE33を素材とし、この規格に準拠した製品を数多く取り揃えております。

IWAKI CTE33について

線膨張係数33×10−7㎝/㎝/℃のホウケイ酸ガラス素材で、耐熱性、耐薬品性、透明性に優れたガラスです。
この素材は、化学分析用ガラス器具(JIS R3503)に規定されるホウケイ酸ガラス-1(JR-1)に準拠し、優れた特性を有するものです。
IWAKI のガラス体積計のうち、多くの品種では、CTE33を素材とし、本体へ表記しております。
また、IWAKI のみ表記のものは、ホウケイ酸ガラス-2(JR-2)の素材となり、ビューレット・茶、自動ビューレット・茶があります。

NEWスタンダードシリーズの特長

(1)JISクラスAに規定されている許容容量公差をクリアし、製品本体にAマークを表記しています。※(注1)
(2)製品本体および外箱に容量公差・ロットNo.を表記。
(3)メスピペット・ホールピペットにはJIS R3505-1994に基づく容量別のカラーコード付き。
(4)メスピペット先端目盛(穴大)のS-PIPET-LTSおよびS-PIPET-US型にはカラーコードとともに「blow-out」の文字を印刷。※(注2)
(5)メスシリンダーには逆目盛がついています。

NEWエクセレントシリーズの特長

ニュースタンダードとの違いは許容公差の違いです。
現在できうる限りの高精度シリーズを揃えました。
JISクラスA(一部品種はUSP規格と同等の精度)※(注3)

(注1)クラスBの許容公差をクリアしている製品へのJISクラス表記は「B」になります。
(注2)メスピペット先端目盛およびホールピペットは全て「blow-out」(強制排出)を前提に目盛線、標線の位置決めを行っています。
※製品へのJISマーク表示はニューエクセレントシリーズならびにニュースタンダードシリーズのビューレット(茶・青筋)など一部製品には表示されません。また、JISに規定の無い容量の製品にはJISマークならびにクラスA・Bの表記は行っておりません。
(注3)USP規格と同等の精度にてご紹介しております製品におきましても日本工業規格に沿った製造を行っております。JIS R3505-1994「ガラス製体積計」に従ってご使用いただきますとUSPで規定されている許容誤差の範囲でご利用いただけます。

製品への表示

※1 受用体積計と出用体積計
ガラス体積計には受用体積計と出用体積計があります。
受用体積計では液体を所定の位置まで入れた際の量(体積)が正しくなる様に目盛が付されています。
また、出用体積計では、所定位置から液体を排出する際の排出された量(体積)が正しくなる様に目盛が付されています。
弊社体積計では、受用体積計には「TC」(=To Containの略)、出用体積計には、 「TD」(=To Deliverの略)の表示を行っております。
受用体積計: メスフラスコ メスシリンダー
出用体積計: ホールピペット メスピペット ビューレット
※2 20℃の表示
ガラス体積計はJIS規格に従い20℃における水(蒸留水或いはイオン交換水)の体積が所定の公差範囲内におさまる様、製造・検査を行っています。
※3 JISクラス表示
ニュースタンダードとの識別のため、ニューエクセレントでは抜文字としています。

メニスカスの視程方法

多くの試料の場合、液面は表面張力により凹面の水際(メニスカス)となります。右図の様に水際の最深部と目盛線の上縁を水平方向から両眼で視定して測定を行ってください。青筋入のビューレットでは、青筋が最も狭く見える部分を水際の最深部として視定してください。

IWAKI ガラス体積計トレーサビリティについて
ガラス体積計のトレーサビリティ制度
ガラス体積計が国家計量標準に準じているか保証する制度です。

ISO9000シリーズでは企業が、製品の品質を正しく維持管理していることの証明が求められます。製品の製造や検査に用いられるガラス体積計は国家計量標準によって正しい値を示しているか、定期的に保証されることが必要です。
この保証方法として、ガラス体積計が校正された標準器(基準ビューレットや分銅・温度計等)によって製造・検査され、その標準器が国家計量標準にまで繋がることを体系的に保証するトレーサビリティ制度が用いられています。

トレーサビリティ証明書
IWAKI では次の3種類の書類で対応しています。
1.「品質保証フロー図」

弊社のガラス体積計品質保証の体系図です。
IWAKI のガラス体積計が定期的に国家計量標準に準じた基準器(又はこの基準器に準じた2次標準器)により、製造・検査されていることが体系図により示されています。

2.「ガラス体積計のトレーサビリティ」(体積公差)

証明する体積計の品種と精度を検定した基準器が示されています。
●品名
●品種コード
●ロット番号
●許容誤差
●基準器証明番号

3.「校正証明書」または「基準器検査成績書」(コピー)

品質保証体系図に表記されている基準器が産業技術総合研究所などの発行した国家標準に準じた標準器であることが示されています。
●基準分銅証明書
●基準温度計証明書

上記証明書類は有料にて発行させて頂いております。
トレーサビリティ関連書類(1)-(3) 一式 10,000円
「校正証明書」または「基準器検査成績書」追加 一部につき※ 5,000円
※複数ご依頼の場合、お見積をご依頼ください。

社内検査成績書付きガラス体積計

弊社出荷時のガラス体積計において、お客様のご希望される容量目盛について基準器を用いた実容量測定を行い、成績書を発行します。
希望される品種・数量・測定をご希望される容量の目盛をそれぞれ申込書に記入してご連絡ください。
弊社在庫品よりご希望品種をとり、識別のため器物番号を本体に記入(サンドブラスト法)し、基準器を用いてご希望された目盛容量を測定致します。
成績書はガラス本体とともに直接お送り致します。

1計量点あたり 7,000円
(製品単価は含みません)

既にお客様でご使用中のガラス体積計の容量目盛精度の確認・保証をするサービスは行っておりません。
現在使用しているガラス体積計のトレーサビリティ証明書の発行は?

トレーサビリティ証明書(関連書類1-3)につきましては、品種及びロット番号をご連絡頂くことで後日発行も可能です。
ガラス体積計の精度保証は弊社出荷時のものとさせていただいております。社内検査成績書につきましては器物番号の記入等ございますので新規ご注文時のみの対応とさせていただきます。
なお、既にお客様でご使用中のガラス体積計の精度の確認・保証を代行するサービスは行っておりません。

ガラス体積計トレーサビリティ関連対応品種
JIS R3505-1994に記述されている以下の品種に限らせて頂いております。

(1)メスピペット
(2)ホールピペット
(3)メスシリンダー
(4)メスフラスコ
(5)短形メスフラスコ
(6)ビュレット
(7)乳脂計

ガラス体積計のJCSS校正証明書の取り扱い開始
信頼のIWAKIブランドより、JCSS認定機関の校正書付ガラス体積計(ホールピペット、メスシリンダー、メスフラスコ)の取り扱いを開始しました。ワンストップで、製品から証明書までお手元にお届けします
JCSS校正とは

JCSS(Japan Calibration Service System)とは、計量法に基づく日本の校正事業者登録(認定)制度です。ISO国際規格に準拠した不確かさの保障を計量行政から得るには、JCSS校正の認定を受けたJCSS認定事業者に測定器の校正を依頼し、JCSS校正証明書を得る必要があります。また、JCSS認定を行っているIA-JAPANは国際試験所認定協力機構ilac-MRA、およびアジア太平洋協力機構APAC-MRAに署名している機関であるため、本証明書にはJCSSマークの他にilac-MRAのマークも入っています。ISO国際認証取得等で国際相互認証が必要な際には、是非、ご検討ください。

JCSS校正証明書付IWAKIガラス体積計

ガラス体積計を新規にご注文の際に、JCSS校正証明書付きでご用意させていただきます。校正は外部のJCSS登録事業者によって行います(書類の発行元はAGCテクノグラスではありません)

JCSS校正証明書発行対象製品

ご注文の際は、ご希望製品の品種コード、数量の他、書類に記載させていただく「施設名」と「施設ご住所」について事前にお知らせください。
製品代金は別途申し請けます(表は書類のみの価格です)。

※特注品についても対応できる場合があります。お気軽にお問い合わせください。

対応品種には、以下のマークをつけております。

トレサ

ガラス体積計のトレーサビリティ証明書を発行できる対象製品に表示しています。

社内検査

社内検査成績書付きガラス体積計をご注文いただける対象製品に表示しています。

JCSS

JCSS校正証明書を発行できる対象製品に表示しています。

特注対応について

カタログ掲載以外の規格等についても、特注で対応致します。是非ご用命ください。

容量・容量公差
カタログ規格外のご希望の容量についてもご依頼ください。その際の容量公差についてもご相談ください。
 例)メスフラスコ …… 40mL ±0.04mL(製薬会社様)
 ホールピペット …… 3.5mL ±0.01mL、35mL ±0.05mL(製薬会社様)
 メスシリンダー …… 130mL ±0.4mL(検査センター様)

ナンバリング
お客様が独自に製品を管理する目的で、ロットNo.以外の文字列を最大8桁(品種・容量により異なります)まで、製品本体にナンバリング加工致します。
なお、加工方法、字体、文字の大きさ等については、お見積ご依頼時にご相談ください。
 例)西暦下2桁のサンドブラスト加工(製薬会社様)

その他
 例)メスシリンダー …… 白目盛り、台座無し、等